今夜も彼の主と会うようですが……年明けから頻繁すぎませんか?
突然急遽服を用意してとは…
確か他の主様とのお約束も入っていたと思うのですが…。
―――…何やら、嫌な予感がするのは私だけですか?紅…。
本日もお部屋を訪ねたのですが居なかったですし。
貴女から直接理由を聞きたいところですが最近私も多忙で動けぬ身。
…じれったいですね。
その内ゆっくりと時間を掛けて聞いて差し上げますからね?
とりいそぎ今夜の服を置いて行きます。
それでは。
=リン=
(私室のドアノブに引っ掛けてあった紙袋の中には可愛らしいワンピース。
勿論と言ってもいいほどジーンズは付いておらず…)
2008年01月14日
リンの呟き<3>
2008年01月01日
超臨時【1/1の服装】


シースルーのベビードール(ブラなし)
+プレゼントで貰ったカチューシャ
<その他持ち物>
メンズメルローズ (MEN'S MELROSE)のマフラー

メンズメルローズ (MEN'S MELROSE)のネクタイ(写真なし)
○細身のブラック地。幅1/3辺りにブルーの縦ライン。
ライン中央辺りにポイントとしてスワロフスキーのラインストーンが3粒
閑話休題6=PLの呟き=
いつの間にかものすごーく間が空いてしまいました(汗)
年末だったせいか少々背後が忙しく…。
更新は出来なかったですが“なり熱”は下がってはおりませんので!
それにしても、久しぶりにこちらに上昇できました〜。
ということで新年一発目は懲りもせずPLの呟きです。
PL非推奨の方は華麗にスルー方向でお願いします(平伏)。
=続きを読む?=
2007年12月31日
逢瀬の記録(4)
<朝倉兵輔様(2)>
・調教室「睦月」にて(会話&調教)
=調教状況=
・お口奉仕×1回(リミット解除後のため積極的)
・手技(男性自身への)×1回(…同上…)
・強制絶頂×1回
・連続絶頂×1回
・淫語強要(多数回:意識朦朧時)
・強制放尿×1回(相手の目の前で)
・相手の呼び方変化(『御主人様』と言うように)
※精神的な服従度(朝倉様に対し) min■■■■■□□□□□max
※身体的な服従度(朝倉様に対し) min■■■■■■■□□□max
※現在のウィークポイント:シークレット
※仄かに(?)専属に関する話
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
=逢瀬翌日(紅編)=
「うぅ………」
奇妙な唸り声はベッドの中から聞こえ。
しばらくするとまた「うぅ」と声がする。ベッドの中には少女が一人。
夢見が悪いのではないのが、モゾモゾと動く様子から伺える。どうやら布団を被り
その中で丸くなっているようで。
部屋に戻ってきていると聞いた女が鼻歌交じりに少女の室内に入ると、目に飛び込んで
きた光景がそんな感じであれば、小首を傾げながらベッドの傍に近寄ると。
「おはようございます紅。…どうしたんですか?どこか調子が悪いとか?」
「………うぅ…」
「…紅?ホントにどうしたんですか?」
そう言いながら布団を捲ろうとすると「捲らないで!」という静止の声。その言葉
を聞くと困ったように眉尻を下げながら
「一体どうしたんです?そこに居るままでいいから言ってみて下さい…。」
「……………」
「…紅?」
「……もう、どんな顔して会えばいいのか……」
「………はい?」
相変わらず唐突な始まりに、今日も女はすっとんきょうな声を上げるのであった…。
―― 主と従 ――
布団の中で「うぅ」と唸る少女の話をじっくり聞くべく、ベッドの端に腰を下ろすと
こんもりと盛り上がった掛け布団の上からポンポンと軽く叩いて先を促す。
「昨夜会っていた主様と何かあったんですか?」
「何かあった…っていうか……なんていうか……。」
「紅が恥ずかしがること…って言ったら……やっぱり何か言わされた、とか?」
「!う……。」
「図星ですか。で、何を言わされたんです?」
「……………ご主人様。」
数秒の空白の後に告げられた言葉に、ほほぅと女の片眉が上がれば
「御主人様、ですか……これまた男性の夢とも言える単語の1つじゃないですか。」
「そう、なの?」
「そりゃねぇ…貴女達みたいな可愛らしい少女から言われたら、世の男性なんてイチ
コロじゃないですか、きっと……いいなぁ、私も貴女から言われてみたい♪」
「全然いくない!」
間髪入れず布団の中から聞こえる声。その調子から言っても少女の頬が赤いだろう
ことは見なくても分かり、そのことにクスリと笑うと
「でも、それだけじゃないから、布団から出れないんでしょう?他にはどんなことを
言ったんですか?」
「……………〜〜。」
「はい?」
「だから………………とか、………………………とか。」
「え?ホントに?!」
女にだけ聞こえる大きさで何種類か言われた言葉に、さすがに女も驚いたような表情に。
到底いつもの少女なら言えない言葉ばかりだから確認するような質問をしてしまえば、
ベッドの上の小山がモソモソと動く。どうやら中で頭を振っているらしい。それを目の端
に捉えると、驚いたような溜め息を零しつつ、
「へぇ〜〜〜、いかにも恥ずかしがりや〜な貴女にそこまで言わせるなんて…随分と
やりますねぇ、その主も。きっと、かなり女性を責め慣れた方なんでしょうね……」
感嘆したような言葉に布団の中の少女から「うぅ」という声がまた聞こえ。女は両腕を
胸の前で組むとうーんと考えるような声を上げ。
「今回の逢瀬、詳しく聞かせて貰いましょうか……。」
「……………うぅ………。」
その後、随分と長い間リンの質問攻めは続いたとか…――――。
2007年12月30日
2人の仲【Part.8】
「早いですねぇ、月日が過ぎるのは…もう明日は大晦日ですよ?紅…」
「ねぇ…なんかバタバタしているウチに年末なんて、ホントびっくりだよ。」
「…ということは館に来てから3ヶ月強が過ぎたんですかね?」
「う、ん…確か9月の上旬に来たから、大体その位になるのかなぁ。」
「色々、ありましたね…この3ヶ月。」
「………うん。」
暖かい室内でお茶を飲みながらボンヤリと2人窓を見遣れば、窓ガラスは結露で
少々濡れており。そこからも外の寒さは十分に予想出来て。
言葉が途切れると静かな時間が流れ、穏やかな空気に包まれることしばし。
「ねぇリン……“淫乱”と“神秘”って同居出来るの?」
「………はぁ?」
唐突に少女の口から紡がれる言葉に、女の声はすっとんきょうな物だったとか。
―― 月と太陽 ――
「で、何がどうなったら今の発言に繋がるんですか?」
前振りもなく聞かれた質問は、今までの流れとは全く別の場所からのものであれば
女も困惑気な表情になり。もうちょっと詳しく説明して下さい、と片眉を上げながら
少女に問い掛ければ、少女もうーんと困ったような顔をしながらもポツリポツリと
話し始め。
「それがさぁ…。この間中野様に会った時にね、そう言われたんだよね……。」
「主とお会いした時に、ですか。」
「そう。『淫乱な女に変化するのを見てみたいし、神秘的な女にしたい』って。」
「うーん、謎掛けのようですね。中々難しい…。他には何か言ってなかったんで
すか?」
「他に?他には……あ、『主を満足させられる妖艶な魅力と、逆に簡単には受け
付けない神秘さを纏ってもらいたい』って…………分かる?」
私全然分かんない、というように天を仰ぎながら肩を竦める少女の話をジッと静か
に聞き、考え込むことしばし。1つ息を付くと
「何となく…言いたいことは分かる…ような……。」
「ホント?どういう意味なのかな?」
歯切れが若干悪いものの結論を出したかのような女の言葉に、少女は身を乗り出して
説明して!と訴える。その様子をチラッと見ると、砕けた表情を浮かべつつ
「まぁ私の言葉になってしまいますし、本筋を掴んでいるかは分かりませんが…。」
「うんうん、それでもいいからさ〜。リンの見解を聞かせてよっ。」
「えーと、ようは私風に噛み砕けばですね、二面性ってことです。」
「二面…性?」
「そうです。淫乱と神秘。一見真逆にあるようにも見えますが表裏一体といいますか…
あぁメンドクサイ。ぶっちゃけてしまえば『昼は貞淑な人妻、夜は淫乱な娼婦』ってヤツ
が分かりやすい例えなんじゃないですかね。良く言うじゃないですか、ベッドの中は別人
っていう…あんなことを言ってるんじゃないですかね。」
「!!」
「一見そうは見えなくても、二人きりになったらとことんまで乱れる。そんな貴女が
見たいってことなんじゃないですか?いいですねー、男のロマンってヤツですよ。」
「男の浪漫〜?」
ズバズバと言われる言葉に目をパチリと瞬かせることしか出来ず、ニコニコと笑いながら
男の浪漫とやらをのたまう女を見つめるも、すぐにプクーっと頬が膨れて。顔を赤くしつつ
抗議の言葉を口に出す。
「そ、そんなの恥ずかしいじゃん!」
「そうですねー、恥ずかしいですよねー。だから、それがいいんですよ。」
「…はぁ?」
「最初から淫乱、ではなくて羞恥もありつつ乱れると凄い…っていうギャップに燃える
ということじゃないんですか……ちなみに私もそんな紅を見たら萌えます♪」
意味深な言葉を言いながらニヤリと笑う女のオデコに思わずデコピンを一発入れると、
ヒドイです〜と言いオデコを押さえながらプシュウとなる女。そんな情けない顔を見せる女
にも容赦なく「変なこと言うからだよ!」とプンプンとしながら怒る少女。どうやら年末だ
ろうと年始だろうと二人の間に変化はないようで。
照れ隠しのように少し冷めた紅茶をグビグビと凄い勢いで飲む少女をニコニコとしながら
見つめていると、女は思い出したように小さな声をあげ。
「そういえば紅…念には念の…の確認なんですけどね?」
「確認?なんの??」
「貴女…まさかとは思いますが、その主とも何か約束とかしてませんよね?」
「――――ッ…ゴフッ」
目を細めながら詰問する女に思わず飲んでいた紅茶が気管に入り、ゴホゴホと咳き込む少女。
何度か咳き込んで落ち着いた後、何も?と言った言葉はかなり上擦っていて。その返事を聞く
と女はこめかみに手をあてて盛大な溜め息を。
「はぁ…毎度毎度のこととはいえど、ここまで主との約束があると逆に楽しくなってきま
すね……。で?」
「……で?」
「はい、誤魔化さない!なんて約束してきたんですっ!」
女の鬼のような形相と剣幕にヒッと呟きながら顔を顰め。恐る恐る相手を見つめると
「えと…ハッキリと覚えてないんだけど……」
「大体で結構です、はいどーぞ。」
「うぅ……。その……確か…『自分の欲を満たす人形になる、と言え』みたいな感じだった
ような違うような……。」
ハハっと乾いた笑いを浮かべながら挙動不審に視線を泳がせる。女の方はその言葉を聞くと
ガックリと肩を落とし。
「また大変な約束を……。貴女本当に少し耐性を付けた方がいいですよ。」
「耐性?って何の?」
「もちろん快感の、ですよ。大体そんな約束する時なんて、どうせ貴女半ば朦朧としている
んじゃないですか?」
「っ!…う………そ、う…かも?」
「いやいや疑問系にしない!そうに決まってます!…ということでレッスン開始ですね。」
そういえば意地悪そうな笑みを浮かべる相手をキョトンと見れば
「レッスン?何の?」
「そりゃもちろん快楽への耐性レッスンですよ!生徒は貴女、教師は私♪」
「………じゃ、おやすみなさい。」
「こらーっ、そこ寝なーい!」
「寝るに決まってる!やだやだーっ!!」
「やだーって可愛く言えば逃げられると思いますか!今度という今度は私の堪忍袋の尾が
切れました!覚悟なさい紅っ。」
静かに寝室に行こうとする首根っこを掴まれるとバタバタと暴れて。そんな少女を羽交い絞め
にするようにしっかりと捕まえると、そのまま寝室へと足を運び出す女。
その後、レッスンがされたかどうか…それを知るのは女と少女のみ…――――。
2007年11月21日
交差する運命(2)
「う〜最近ホント朝晩が寒いんだけど…。」
誕生日翌日の11/12、グッと冷え込んできた気候にブルッと身体を震わせながら、部
屋の暖房器具のスイッチを入れる。手を擦りハァ〜っと息を吹きかけながら窓から外を
見れば、空は雲一つない秋晴れともいえる天気が広がっていて。火に掛けていたヤカン
から蒸気と共に甲高い音が響き始めると、はいはーいと言いながらキッチンに向かい火
を止め、紅茶を入れると両手でカップを持ちながら、火傷しそうに熱いそれを慎重に一
口飲めば暖かさが身体に染み渡ってフゥッと息を吐く。その時トントンとノックが聞こえ。
「紅〜、いますか?入りますよー?」
「はいはい、いるよー。」
ガチャっという音と共に扉が開けば、いつものように女が部屋に入ってくる。けれど
何やら浮かない顔をしているようで、それを不思議そうに見つめながら
「リン?どうしたの??」
「いえ…、これを先ほどスタッフから受け取ったのですが…貴女宛のようです。」
「私へ?何これ?」
―― A jack-in-the-box ――
差し出された物はプレゼントのような包装をされていて、一緒にメッセージカード
もついている。それを受け取りながら手の中の物と女の顔を交互に見つめて説明を
求めるような眼差しを送ると、
「主からのプレゼントのようですよ?」
「主?主って誰のこと??」
「………メッセージカードを読めば分かると思いますが。」
何故か主の名前を問うと苦い表情を浮かべる女を小首を傾げて見上げるが、一向に
相手の名前を言う気はないようなので、仕方なくカードを開きサッと中の文面に目を
通すと、少女の瞳が驚いたように開かれて。
「コレ…啓さんからだっ!」
「………そのようですね。」
「しかもこれ…誕生日プレゼントだって。」
「………………そのようですね。」
「一緒に誕生日祝えなくて残念です、って……誕生日の事って確か初めて啓さんと
会った時に話のついでにポロッと言ったくらいだったのに……ちゃんと、覚えていて
くれたなんて……。」
「………………………そのようですね。」
「…リン、『そのようですね』ばっかりなんだけど。」
何を言っても一辺倒の返事に呆れたような視線を向けながら、何度もメッセージカー
ドを読み返す。初めて見る相手の文字は男性ながら几帳面に書かれた綺麗な書体で。
短く簡潔な文章を何度も読み返すと、本当に嬉しそうにフフっと笑い。大切そうにカ
ードを封筒に戻すと、プレゼントを開ける。中から出てきた物に目を輝かせながら、
キャーっと歓声をあげ。
それはスワロフスキーを使ったキラキラと輝くカチューシャ。ピンク色の石で飾られ
たカチューシャは少女の好みど真ん中の一品で。
「うわ〜〜〜!見てみてリン!すっごく可愛いよ!!」
「………そうですね。」
「私こういうの大好きなんだよねーっ。家にもすっごいいっぱいあってさ〜……でも
ここには1つも持ってきてなかったの。だから本当に嬉しいっ♪」
ピョンピョンと飛び跳ねながら喜びを表現する少女に、女は悔しそうな表情で
「そういうのが好きなら早く言ってくれれば私が幾らでもあげたのに…。」
「だって…自分から言うのもおねだりしてるみたいで変じゃない。」
「貴女のおねだりなら幾らだって叶えますとも!!」
「もう〜リンってば私に甘すぎっ。……もしかして、それで焼きもちやいてるの?」
「…っ!」
先ほどから不機嫌で「そうですね」しか返事を返さない女の図星を指すような言葉を
投げると、一瞬言葉に詰まりながらフイっと膨れながら
「今度は誰よりも早く私に教えて下さい!」
「教えて…って私、啓さんにも自分の好きなもの教えてないよ?」
「…え?」
「だって…今までは…その…怖かったし。そのせいだけじゃないけど……趣味とか、
お互いの好きな事とか、そういう普通の会話自体もあんまりしてないし。だから逆にコレ
見てビックリしちゃった。あまりに私の好みを押さえたセレクトだからさ。魔法使いって
いうか、なんだか…足長おじさん?みたい。」
あ、でも「おじさん」なんて言ったら啓さん怒るかな?、とクスクスと笑いながら話す
少女に
「二十歳過ぎれば皆オジサンだからいいんです。」
と無茶苦茶なことを女は膨れっ面のまま言う。お互い離れていても男にとっては少女の
好みを把握することなど造作もないということが今回のことで分かると「やはり油断なら
ない相手です」と心中で呟く。幼馴染の少年を秘密裏に、もっと頻繁に通わせる必要があ
ると考えながらも、目の前で嬉しそうに笑っている少女を見れば嘆息し、
「ちゃんと、お礼のお手紙は書くんですよ?」
「うんうん!モチロン!!」
「………良かったですね。」
「うん!…どう?似合う??」
貰ったカチューシャを付けると感想を尋ねる、ただ純粋に喜んでいる少女に「はいはい、
とってもお似合いですよ」と返事を返しながらもお礼状を出すことを約束させると、女も
ティーカップに紅茶を注ぐ。少女は鏡の前で確認するかのように色々な角度からカチュー
シャを眺めながら
「今度、啓さんと会う時にはコレ付けていこーっと。」
「そうですね、いいんじゃないですか?」
「あれ?リンにしては珍しくまともな返事。」
「失礼な。まぁ…誰しも自分が贈ったものを身に付けて貰えれば嬉しいものですからね…。」
「そうだよね……なんか、早く啓さんに会いたいな…。」
焼きもち焼きの女にしては珍しく主を尊重するような意見に目を丸くしながらも、その
返事は納得出来たのでうんうんと頷きながら、最後は呟くように言って。何だか、焦がれる
ような響きが混じっていそうな様子に女は思わず眉を顰め。
「貴女…ユキさんがいるのに、まさか主のことが好き…なんてこと言いませんよね?」
「そ、それは………。」
「好き、なんですか?」
「う、うーん……嫌いじゃ、ないよ?何となく気になるっていうか…。」
歯切れの悪い返事に益々眉を寄せながら
「貴女のことですから……まさか…「好き」とか言ってません、よね?」
「………………………。」
「……………言ったんですね…一体何時ですか!」
困ったように俯いて返事を返さない少女の態度からも、相手に何らかの好意を抱いている
のは察することが出来。女は焦ったように恫喝すると、少女はビクッと身体を竦め
「えっと……初めて会った夜、かな……。」
「ホントに……貴女って人は………。」
クラクラと眩暈を起こしそうな気分に陥りながら、少女の肩をしっかりと掴むと
「貴女のその気持ちは錯覚です!身体を重ねたことによる相手への“刷り込み”みたいな
ものです。」
「刷り…込み?」
「そうです。やはり心は身体の影響を強く受けます。通常SEXは好きな方としますよね?
けれど今はそうじゃない…。その事実が辛いのではありませんか?貴女の心が“好きなのか
も”と思う事で自分の心を守ろうとしてるのです。けれど間違えないで…それは恋じゃあり
ません。」
女の言葉は痛いところを突いていて、少女は悲しそうに表情を曇らせる。
「そう…なのかな……。」
「そうです。その主と会ったのはまだ2回ですよね?そんな短期間で恋にはなりませんよ。
それに貴方にはユキさんがいるでしょう?あの方への想いこそが本当の“好き”という気持ち
です。それに…言いづらいですが、あの方達は館の『客』です…大金を払って来ている。そし
て貴女は『商品』です。あの方達は紅の身体への興味はあっても、それ以上はありません。
もしも貴女が館に来なかったら…そして貴女が館から去ったら二度と会う事のない、紅とは
違う世界に住む方達なのです。」
本当は恋に落ちるのに時間は関係ないとは思うが、女はあえてその気持ちが錯覚だと思わせ
る口ぶりで少女に言って。仄かに芽生え始めている少女の気持ちを、会っていない今のうちに
根こそぎ取ってしまおうと次々と言葉を紡ぐ。幼馴染の少年の名前が出ると、ギュッと胸元の
ペンダントを握り締めながら。
「リン…ごめんね……しばらく、一人にしてくれる?」
「紅…。」
「少し、自分の気持ち整理したいから……。」
「いえ、私の方こそ言葉が過ぎました。すみません…今日はこれで帰ります。」
そう言うと、申し訳なさそうに少女を見つめるて。けれどすぐに踵を返して部屋を出て行く。
パタンと小さな音と共にドアが閉まり、始めと同じように1人になれば、思わず椅子に腰を
下ろすと両手で顔を覆う。
「………分からないよ…。」
震える吐息と共に吐き出された言葉は、か細いもので。
女から言われた言葉に打ちのめされたように、少女はしばらく動けなかった…――――
2007年11月20日
どうでもいいPC設定【小物編2】

<好きな小物2>
現在、紅がハマりにハマっている物。
シャンプー&リンスはモチロンの事、ボディバター、リップ、
石鹸、ローションに至るまでフルーツ系の物で揃えること。
この間まではマンゴー系で統一していたが、現在はグレープフルーツ
の香りで全て統一している。
グレープフルーツの次はストロベリーにしようかバニラの香りに
しようか考え中。
2007年11月19日
逢瀬の記録(3)
<中野圭介様(1)>
・茶屋(出会い&会話)→調教室「睦月」へ(調教)
=調教状況=
・緊縛×2種(両手両足&目隠し、片手片足)
・スパンキング
・脚への愛撫(キスマーク込)
・膣内射精×2回
・その他(クンニ、鈴の音、姿見の前での交接、男との約束)
※膣での快楽を教え込まされる。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
=逢瀬後すぐ(紅編)=
「!!紅っ、どうしたんですか?!」
少女が客人の元より帰ってくるのを今か今かと待っていた女は、シーツに包まれた状態
でスタッフの男に抱かれるような状態で部屋に戻ってきた少女に驚く。なぜなら今までは
は少女を部屋まで連れ戻してくれていたのは女性スタッフが主であり、今回のような男性
スタッフの手で戻されるというのがなかったせいで。
意識はあるようだがグッタリと男の腕の中にいる少女の顔を、女は心配そうに覗き込み
ながら、
「大丈夫ですか?紅。」
女の問い掛けに視線を向けると、ほんの微かに首が上下する。仕草のみで返事を返すと
また目を閉じてしまう少女の上から声が聞こえて。
「いや〜今回はお嬢も随分消耗したようやな〜。迎えに来た俺もびっくりしたで〜。」
―― 2組の出会い ――
黒服とは思えない気さくな口調に女の眉がピクリと上がる。標準語と関西弁が混ざった
奇妙な口調。以前少女から聞いたような気がして、ゆっくりと視線を男に合わせれば
「わざわざご足労頂き有難う御座います…貴方は……。」
「あ、俺は桐生言います。最近ここに来たばかりなもんで…。」
「私はリンと申します。貴方のお話は紅からお聞きしていますよ……是非一回お会いし
たいと思っていたので…。」
よろしゅう!と頭を下げる相手を見る女の瞳は全く笑っておらず絶対零度の冷たさなの
だが、口角は上がっていて、それが余計に恐ろしい空気を作っている。男も何やら得体の
知れない雰囲気に知らず知らずのウチに背中をブルッと震わせながら
「こ、こちらこそ…よ、よろしゅう……。」
何とか挨拶を返すと、これ以上女を見ていたら石にでもされるような錯覚を覚え、慌て
て視線を外しながら、少女を室内のベッドルームに運ぶとそっとベッドに寝かせる。そう
して「それじゃ俺はこれで…」と言いながらそそくさと去っていった。女は男の後姿が見
えなくなるまでジーっと見つめるが、
「リン…いる?」
少女の声が室内から聞こえると、今まで見ていた男の存在など遥か彼方に忘れ去ったか
のようにあっという間に少女の元へ向かう。モチロン部屋の鍵はしっかり閉めて。いそい
そとベッドルームに行くと、少女のいるベッドの脇に腰を掛けて
「はいはい、どうしたんですか?何か欲しいものでもありますか?」
「うん…何か飲みたいのと……あと、コレ…薬塗ってくれる?」
「薬?……っ、この擦り傷は?!」
少女の手首にある赤みを帯びた擦過傷に驚いたような声を上げ、少女の手を取る。よく
見ればそんなに酷い傷ではないものの、今までは決してなかった傷に眉を顰めながら少女
に傷が出来た理由を尋ねる。
「その……ネクタイで縛られた時に出来たみたい…。」
「ネクタイ、ですか?……ついに…」
「ついに?」
「ついに…縛られる体験をしたのですね。」
「!!」
そうですか…と感慨深げに言う女に少女の頬にサッと朱が散る。けれど事実であればこ
そ否定の言葉を言う事も出来ず、恥ずかしそうに俯いて。そんな少女の頭をポンポンと優
しく叩くと
「今回の主と会うまで、そういう経験がなかった事の方が稀だったのですよ。けれど縛
ることに慣れている主であれば、そのような傷を作るなど有り得ないと思うのですが…。」
「うーん、なんか『私としたことが擦り傷が出来るような縛り方をするほど興奮してし
まったのかな…』みたいなこと言ってた気がする…。」
「そうですか…ということは紅、貴女相当抵抗したんでしょう?」
「!だ、だって…そんなこと今までされた事なかったから…。」
怖かったし、と小さな声で言う少女の頭を撫で続けながら女は小さな吐息を付くと、少女
が包まっていたシーツを捲ると少女の裸体をサッと上から下まで見る。手首以外にも縛られ
た名残のような赤い痕があるが、擦り傷は手首のみなのを確認すると
「確かに手首以外は擦り傷はないようですから、最初のネクタイ以降はいくら貴女が力を
入れても動かない位しっかりと縛ったようですね。」
「リン……恥ずかしいこと言い過ぎ!」
力の抜けた身体では女のシーツを捲る手も止められず、情事の跡もいまだ濃い身体を見
られてしまった少女は顔を赤くしながら悔し紛れに叫んで。キーンという少女特有の高声に
思わず耳を押さえながら、むしろニヤニヤとしたどこかイヤラシイ笑みを浮かべながら
「それに…ここも十分主から愛して貰えたようで…。」
「り、リン?!……んっ………!」
同じく力なく投げ出された両足の間、少女の奥まった…秘めやかな部分を指でなぞると、
自らの指に付着した白濁した液を少女に見せるようにする。意地の悪い女の言葉に、恥ずか
しそうに頬を歪めながら俯くと、更に女の指が中に入ってこようとして。
「リン?!やだっ、やめてっ!!」
「でも…早く出さないと……子供、出来ちゃうかもしれませんよ?」
「っ!」
女の言葉にビクリと身体が硬直する。少女が動揺している間に女の細い指がクチュリと
少女の内部を穿つと、再度身体を震わせ太腿を閉じようとするが、女の指の動きを止めるこ
とは出来ず。
「んっ…ぁっ…リン……やだぁ………ふぁっ……。」
内部を探られる感触に否定の声を上げるも、腰は女の指を受け入れるように軽く上がって。
少女の無意識の媚態にフフッと妖艶な微笑を浮かべながら、女は柔らかく暖かい少女の中を
堪能していく。
その夜は少女の部屋から甘い声がしばらくの間ひそやかに聞こえ続けたとか…―――
続きを読む【あとがき】 ※PL発言含
2007年11月11日
交差する運命(1)

恋とは 甘い花のようなものである
それを摘むには 恐ろしい断崖の端まで行く勇気が
なければならない…――(スタンダール)
―― 星月夜の庭園(にわ)で ――
誕生日の夜、少女が庭園をゆっくりと歩いていく姿が見える。少女はナイト
ウェアにカーディガンを羽織っただけの無防備な服装で、けれど本人はそれに
気にする様子も見せず、幻想的な光で覆われた庭園を何処へ行くともなくブラ
ブラして。
「う〜サムッ!この格好で外に出るなんて無謀だったかな?でも…流石にこ
んな夜中じゃ誰もいないから、ここを独り占めしてる気分になるな〜。」
ひんやりとした夜の空気は少女の身体の熱を容赦なく奪うが、身を清めるか
のような清廉な感覚は心地よくもあり、一瞬自分の身体を自分で抱くように腕
を回し、その後深呼吸するかのように腕を広げる。
新月である今夜は月光りさえもないが、澄み切った空にはキラキラと瞬く星
が輝いていて、石畳の上をゆっくりと歩きながら上を見上げる。
「冬は星も見えやすいから綺麗だな〜。あれは…冬の大三角形かな?」
うーんと口元に指を当てて考えつつ歩き続けて、いつの間にか普段来ないよ
うな館の外壁付近に辿り着く。
「結局、昨日のリンの言葉はなんだったんだろう…特に庭園に変わった様子
はないけど……。」
首を捻りながら辺りを見渡すが、特に変わったところもなく虫の音だけが響
いているだけの庭園。
決して出ることの許されない箱庭のような少女の今の住処は、広いようで狭
くも感じて、少し溜め息をつくと身体を反転させて部屋に戻ろうとする。
数歩足を踏み出した時、
「………紅っ!」
懐かしい声が背後から聞こえて少女の足がピタリと止まる。あまりに聞き慣
れた声…けれど今は聞くことが出来なくなった声が耳に届いて少女の身体が固
まる。振り向いたら消えてしまいそうで、それが怖くて声の方を向くことが出
来ずにいると、
「紅、お前…紅だろっ?……俺だよ。」
泣きたくなるほど聞きたかった声がもう1度聞こえると、恐る恐る少女は声
の方に振り向く。外壁の一角、格子状の隙間から見えるのは大好きな少年。少
女は今見ているものが信じられないというように首を振る。
「ユキ…君?……ホントに??」
「そうだよ、俺だよ。紅、久しぶりだな……会いたかったぜ。」
目を見開く少女に少し照れたような表情で返事を返す少年も嬉しそうに微笑む。
こっちに来いよという風にちょいちょいと手を振る少年に、驚いた表情のまま、
少しずつ近寄り、壁1枚隔てたところでお互いに顔を突き合わせる。2ヶ月ぶり
に見る少年は少しだけ大人びたような表情になっていて、そんな彼を眩しそうに
少女は目を細めて見つめる。
「ユキ君…なんでここに……。この場所はお母さん以外知らないし、お母さん
も口止めされてる筈なのに……。」
「あぁそのこと?確かにお前のかーちゃんは何度聞いても教えてくれなくって
困ってたんだけど、こないだリンって女の人が俺に会いに来たんだ。それでお前
がいるこの場所のことも教えてくれてさ。」
「リンが?!」
『では、ヒントを一つ。明日の23時を過ぎたら庭園を散歩して下さい。そうす
れば…全て分かりますから。』
唐突に思い出す昨日の女の言葉。あの意味深な言葉はこのことを指していたの
だとやっと気づく。勿論そんなことを少年が知っている筈もなく、気にすること
なく話し続けていて。
「ああ。なんか『紅が不安定になってるから会ってやって欲しい』って言われ
てさ。さっき家族が寝静まってから家を抜け出して来た…っていうかお前の方こ
そ大丈夫か、紅?」
じっと見つめられて少し恥ずかしそうに笑うと、少年はここに来た経緯を話し
出す。男の口からリンの名前が出るとビックリしたように手を口に当てる少女に
頷きながら少年は更に言葉を紡ぐ。
「それにさ、どうしてもこれ渡したくて……誕生日プレゼント。絶対当日中に
渡してやりたくてさ……誕生日おめでとう、紅。」
そう言いながら壁の格子の隙間から小さな袋を差し出す。おずおずと手を出す
少女の小さな手のひらに納まるほどの紙袋がポトンと手に落ちて。少女は手の中
のプレゼントと少年の顔を何度も交互に見つめて。
「これ…私に?」
「当たり前だろ。お前のために選んだんだから…中、見てくれよ。」
って言ってもあの女の人の助言も入ってるんだけどな…と照れたような笑顔の
少年の言葉に不思議そうに首を傾げながら少女はカサカサと紙袋を開き、逆さま
にすると、手の中に転がり出てきたのは…十字架のネックレス。
小洒落たデザインのそれは十字架の中央に小さな紅い石が嵌め込まれている物
で、少女に似合いそうなとても可愛らしい雰囲気を醸し出している。けれど、
それを見た瞬間少女の顔が一瞬強張る。無意識の内にナイトウェアの下の胸元に
ある同じ十字架のネックレスを握り締めるようにしながら。
「こ、これ……。」
「可愛いだろ?リンさんがさ、お前がそーゆーネックレスを欲しがってた…って
言ってたから…気に入ってくれるといいんだけど。」
頭をポリポリと掻きながら無邪気に笑う少年に他意はない。むしろ他意がある
のは女の方に違いなく。少女はそれを知らない少年を傷つけないためにニッコリ
と笑う。
「嬉しい……ありがとね、ユキ君。」
「礼なんていーって。今まで毎年やってた恒例行事の1つだろ。」
「でも…私ユキ君の誕生日にお祝いしに行ってあげられないよ?」
「ばーか、そんときゃ俺がまた来るって。」
格子越しにツンと少女の額を楽しげに指で突つく少年の様子に、少女も今度は
心からの笑みを浮かべて手の中のプレゼントをギュッと握り締める。久しぶりの
少女との会話に喜んでいた少年だったが、フと表情を曇らせ
「紅…俺さ、お前のこと諦めないから。今はまだ全然力もないから、こんなこと
言っても真実味に欠けるかもしれないけど……絶対迎えに行くから。少しでも早く
お前がここから出られるように俺も頑張るから…だから今はお前も頑張れ、紅。」
「ユキ…く……」
少年の真摯な言葉に思わず手を差し伸べると、ギュッと強く掴まれて格子の外
の少年の方に引き寄せられる。少女の柔らかい手を握り締めると、少年は少女の
手首辺りにくちづけて。強く、噛み付くような少年からのくちづけに少女の眉が
恥ずかしげに寄せられる。しばらくのち、ゆっくりと少年の唇が手首から離れると
少女の細い手首には紅い花が咲いていた。その痕を満足げに見つめながら
「これは、約束のしるしな。これが消えない内に、また来るから。」
「また来るって……っ!ていうかこんなところスタッフか誰かに見られたら!」
大変なことになっちゃう、と少女は辺りをキョロキョロと見回す。
「大丈夫だって。こんな夜中だし、一応俺も周囲は気にして来たけど、誰も
いなかったぜ?」
「そ、そう?ならいいんだけど…。」
「俺だって来た日にここにいる奴等に見つかって、もうお前と会えない…なんて
なっちまったら嫌だったから十分気をつけたし。」
次に来る時も用心するから任せとけって…と、まるでいつもと変わらぬ口調で
軽口を言いながらウィンクする少年に思わず少女もクスクス笑ってしまい。
特殊な環境で相手に身体を弄られ、ともすれば身体だけでなく心まで奪われそう
だった…少女の不安定だった心が少年の優しさでほんのり温かくなり、彼への恋心
が再び強く芽生えて。少年からのくちづけの感覚がいまだ残る手首を押さえつつ、
「今夜、ここに来てくれて…ありがとう、ユキ君……。また、来てね?」
「ああ、次に来る時には事前にリンさんに連絡入れておくから。連絡先も教えて
貰ってあるからさ。それじゃ、今夜はこれで帰るな。紅も風邪引く前に部屋に帰れ。」
「うん!」
また来てもらえるという気持ちが少女の心を明るくさせて、自然と笑顔が零れる。
ヒラヒラと手を振る少女に少年も片手を上げると、じゃな!と言って足音軽く走り
去っていった。段々と小さくなっていく少年の背中をずっと見つめて、角を曲がって
その姿が消えると、少女も部屋へと足を向けて。
その夜、少女は館に来てから初めて安心しきった顔で眠ったという…―――。
続きを読む【あとがき】 ※PL発言含
2007年11月10日
2人の仲【Part.7】& リンの呟き2
「さて、どうしたものでしょうかね……。」
思案顔の女の手にあるのは1枚の写真。そこには1人の年若い男性が写っている。
己の手中にあるそれに視線を落とすと、細い指先を顎にあててしばし目を閉じ。
その後ゆっくりと開かれた瞳に現れるのは強い決意。
「行動するなら早い方がいいですね。」
そう言うと、サッと立ち上がり足早に部屋から出て行った…――。
―― Birthday Eve ――
大分寒さがましてきた11月半ば。女がいつものように部屋をあければ、室内の一角、
ソファ前に置いてある大きな白いラグの上でスースーと寝ている少女を見つける。
毛並みのいいラグに包まれて気持ち良さそうに身体を丸めて寝ている様子は子猫にも
似て、思わず女の口元に笑みが浮かび。
「紅…紅…起きて下さい。こんなところで寝ていたら風邪引きますよ?」
「…ん〜〜……あと5分………。」
「あと5分じゃなくて、そこはラグですから寝るならベッドに入って下さい。」
「……ん?………ふぁ〜〜〜、リン…おはよ……。」
「おはよ、ってもう3時ですよ。一体何時からそこで寝てたんですか。」
「んと…朝ご飯食べて〜部屋片付けて〜〜お茶飲みながら雑誌読んでたところまで
は覚えてるんだけどなぁ…。」
寝ぼけ眼の少女の周りには、確かに読みかけの雑誌、飲み掛けのカップが置いてあり
ちょっと休憩、とばかりに休んだ途端に寝てしまったということは十分想像出来た。
女は少し呆れ顔で相手を見下ろすと、
「ということはお昼ご飯も食べずに寝てしまったんですね…。お腹は大丈夫ですか?」
「ん〜〜〜、ちょっと空いてるかも。リン何か作って♪」
「…はぁ、全く……私は貴女の専属シェフじゃないのですけどねぇ…。」
ワザと額に手を当てて困りましたね、と言うも少女も両手を前で合わせて拝むよう
な形で「リンお願い♪」と可愛らしく頼まれてしまうとそれ以上言えず。今回だけです
からね?と念を押すが少女は気にする風でもなく嬉しそうに笑っているだけで。
(― 20分後 ―)
手早くサンドイッチと紅茶を準備すれば、いつものように2人でテーブルに座る。
「いっただっきまーす!」
元気良く挨拶するとハムサンドを手に取りパクリと一口食べて、美味しい〜と喜んで
いる少女を見ると、女も苦笑しながら手に持ったタマゴサンドを一口かじりながら。
「そういえば…紅、貴女明日が誕生日でしたよね?」
唐突に話題を切り替える女に一瞬キョトンとした表情を見せるが、数秒後アッと叫んで
「そうだ、私…明日誕生日じゃん!」
「貴女…自分の誕生日を忘れてたんですか?」
「だってぇ…ここ最近バタバタしてたしさ〜。」
「はぁ〜折角驚くべきプレゼントを用意したんですけどね〜。」
わざとらしく大業な溜め息をつく女に少女の耳がピクリと動く。
「驚くような、プレゼント?」
「そうです、絶対驚くこと請け合いのプレゼントです。」
「えーナニナニ?どんなプレゼントくれるの??」
「それを今言っては面白くないじゃないですか。明日までのお楽しみです。」
身を乗り出して興味深々といった感の少女に、けれど女は「明日を楽しみにしていて
下さいね」、と言って意味有り気に微笑むだけ。
「えー、どうせもう数時間で誕生日なんだし教えてくれてもいいじゃない〜。」
「だーめーです!プレゼントは明日の夜になると思うので、それまでは中身の想像でも
していて下さい。」
「えぇ〜〜〜っ、リンのいけず!」
ぶうぶう文句を言う少女にも女はどこ吹く風で受け流しつつ、優雅に紅茶を一口飲む。
けれど変わらず痛いほどに注がれる視線に方眉を上げると、しょうがないですね…という
ように肩を竦めて。
「では、ヒントを一つ。明日の23時を過ぎたら庭園を散歩して下さい。そうすれば…
全て分かりますから。」
「23時に…庭園を散歩?なんでそんな夜遅くに…。しかも庭園って?」
「昼間だと都合が悪い物なので…。まぁ貴女も見れば分かると思いますが。」
「見れば分かる?」
「はい、ヒントはここまで!とにかく絶対貴女が喜ぶものに間違いありませんから!」
「えぇ〜〜〜!」
ヒントを聞いても全然分からないプレゼントの中身。これ以上はノーヒントです、という
女にヒントの追加をリクエストするも呆気なく却下されてプクっと頬が膨らむ。そんな少女
の頬をツンと指で押してクスクス笑いながら、
「今日は朝からプレゼントの準備で忙しくて疲れてしまったので、そろそろ帰ります。
それじゃ、明日を楽しみにして下さいね〜。」
ガタンと席を立つとヒラヒラと手を振り出て行く女。その背中を眺めながら
「結局…何なんだろ?」
不思議そうに呟く少女の声に答える者は誰もいず。
その中身が分かるのは、明日…――――。続きを読む【あとがき】 ※PL発言含





